業務委託契約書は、外部の事業者(フリーランスや個人事業主など)に業務を依頼する際に欠かせない書類です。
しかし、契約書を作成する際に「何を入れればいいのか分からない」「法令に対応できているか不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、2024年11月に施行されるフリーランス保護法および下請法に対応した、業務委託契約書に必ず入れておきたい基本条項をわかりやすく解説します。


なぜ法令対応が必要なのか?

フリーランス保護法では、発注者がフリーランスに業務を委託する際、契約内容を明示する義務があります。
また、下請法は資本金規模によって適用され、情報成果物(Web制作・システム開発など)も対象になる場合があります。

これらの法律に対応していない契約書は、行政指導や損害賠償リスクにつながる可能性があります。


業務委託契約書に入れるべき10の基本条項(法令対応版)

条項名内容のポイント
① 契約の目的業務委託の背景や目的を明記
② 業務内容5W1Hで具体的に記載(例:何を、いつまでに、どこで)
③ 契約期間開始日・終了日・更新の有無
④ 報酬・支払条件金額(税込・税抜)、支払期日(60日以内)、振込方法
⑤ 再委託の可否第三者への再委託の可否と条件
⑥ 知的財産権の帰属成果物の著作権・使用権の取り扱い
⑦ 秘密保持義務業務上知り得た情報の取り扱いと保持期間
⑧ 契約解除・中途解約解除条件・通知方法・違約金の有無
⑨ 損害賠償責任損害発生時の責任範囲・上限設定
⑩ 準拠法・合意管轄紛争時の適用法令と裁判所の指定

フリーランス保護法に対応するための記載例

  • 業務内容の明示:「甲は乙に対し、2025年11月1日から2026年3月31日までの間、甲の公式Webサイトのトップページ(PC版・スマホ版)をFigma形式で制作する業務を委託する。」
  • 報酬の明示:「報酬は税込55,000円とし、納品後30日以内に甲指定口座へ振込により支払う。」
  • 再委託の制限:「乙は、甲の書面による承諾なく、本業務を第三者に再委託してはならない。」
  • 納品・検収条件:「成果物は甲指定のGoogle Driveに納品し、甲は納品後5営業日以内に検収を行う。」

下請法に該当する場合の注意点

  • 発注者と受注者の資本金規模により適用される可能性あり
  • 書面交付義務(契約書または発注書)を満たす必要あり
  • 支払期日は納品から60日以内が原則
  • 不当な報酬減額・返品・買いたたきは禁止

よくあるNG例と改善ポイント

NG例改善ポイント
「業務一式」→「トップページ制作(Figma形式)」など具体的に記載
「報酬は5万円」→「報酬は税込55,000円。追加修正は1回まで無料」など詳細に
「納品後、支払い」→「納品後30日以内に振込」など期日を明記

まとめ

業務委託契約書は、単なる形式ではなく、法令遵守とトラブル防止のための重要なツールです。
フリーランス保護法や下請法に対応した契約書を作成することで、発注者・受託者双方が安心して業務を進めることができます。